アフターメンテナンス、その後と考察

多美子おしゃれ美容室でございます。

前回、リップの色素浸透のアフターメンテナンスのご報告をさせて頂きました。その後、同じ症状やその他の不具合についてのお客様からのお問合せは現在のところありません。

以下、この状態の原因についての私個人の考察になりますので、ご興味の無い方は飛ばしていただいて構いません。

      

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①もともとアクリル塗料によるペイントは、プラモデルに使われている塗装方法

水性アクリル系塗料は本来プラモデル向けに作られたものですし、アクリル絵の具はもちろん画材です。

②油性のペン、水性インク、水彩絵の具は浸透し、ソフビ本体に広がっていく

美容室にご来店くださる痣の方の多くの原因となっているのが油性や水性のペンでのメイクが広がってしまったものです。

主に油性ペンでメイクをされてご来店のお客様。オオイケミ二ーちゃん

③パステルや水性色鉛筆は沈着はするが、浸透しにくい

おなじくお人形に良く使われるメイク素材ですが、どちらも周りに色素が広がったケースを見たことはありません。けれどもアクリル塗料同様に色素沈着があり、ソフビ人形には注意が必要な素材ではあります。

広がりにくいのは粒子が荒いので表面的な細かい傷や気泡に入り込みはするが、ソフビ内部までは入っていけないのではないかと考えます。

            

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単純に考えて、プラモデルに使われている(大まかな呼び方としての)プラスチックとソフビ人形のポリ塩化ビニルは硬度も密度も違います。

アクリル塗料による彩色は創作人形やキャストドールにも使われているので、ソフビにもそのまま使われるようになったのでしょう。

        

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④水性アクリル塗料は特に赤、黄、茶系に沈着や浸透が多い

水性アクリル塗料の赤、黄、茶系が浸透しやすいのに対して、黒や青系が浸透することは無いこともないのですが、比較的稀です。

パステルや水性色鉛筆が広がりにくいのは粒子が荒いからだと考えると、逆に水性アクリル塗料の浸透が色によってばらつきがある意味が分かります。原材料の顔料の粒子の大きさの違いでこのような差が生じるのです。

⑤アクリル系でもラッカー系アクリル塗料は浸透しにくい

そして、これも単純に考えてラッカー系が比較的浸透しにくいのは文字通りラッカーが塗膜となるからであり、薄め液の使用量や重ねる塗料との相性によっては顔料が溶け出し、浸透する場合も考えられます。

⑥同じ塗料で同時に彩色し、同じ場所で飾っていても違いが出る。

今回アフターメンテナンスを行った方の一人は、同型のお人形さんが一緒にご来店されていました。その為、作った色をその時2体に使いました。御帰宅後も同じお部屋の同じ棚に飾っていらっしゃるようです。

夏の同時期でしたので、当初は高温多湿が原因かもしれないという考えでした。しかし別々の地域にお住まいのお二人からのお問合せでしたし、何より春に私が1件確認してお声かけをしていますから、高温多湿が原因とは考えにくい状況です。

こうなるとこれは個々の劣化や、製造時期の関係でソフビの状態が違うのではないか?としか今は考えられません。あるいは薄め方に問題があったかもしれません。

いずれにせよ決定的な原因というのはわからないので、私は使わないという選択肢しかありません。

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と、いうのが私の現時点の考えです。

専門知識はありませんので、あくまでも今まで沢山のお人形を見てきた経験や、調べて得た知識のまとめくらいに捉えて頂けると幸いです。   

改めてこの度、不具合の起きたお人形さんとオーナーの皆様に深くお詫び申し上げます。

三人のオーナー様はこの件を温かく見守ってくださるとともに、今後もお付き合いくださると仰って頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

そして引き続き今までご来店のお客様へ

私が作業が可能な健康状態であるうちは、ご予約なしでメンテナンスを行わせて頂くつもりでおりますので、いつでもご連絡をお願い致します。